有価証券投資の特徴
資産運用には、安全性と確実性を重視した「預貯金」と、リスクはあるがそれに見合ったリターンを期待する「有価証券投資」があります。後者にはリスク・リターンが高いものから低いものまで多様な商品があります。
両者の違いは「安全性」、「収益性」、「流動性」という3つの観点で比較するとわかります。
「預貯金」と「有価証券投資」の比較
預貯金 | 有価証券投資 | |
---|---|---|
元本の確保や利子の支払いの確実性が高い。 | 安全性 | 元本の確保や利子の支払いは保証されていません。 |
総じて低い | 収益性 | リスクの度合いに応じて変化します(リスクが大きいほど、リターンが高くなる傾向にあります)。 |
換金性が高い | 流動性 | 換金に一定の期間を要する場合があります。 |
預貯金の種類
- 普通預金
- 定期預金
- 積立定期預金
有価証券投資の種類
- 株式
- 債権(国債・地方債など)
- 投資信託
- 受益証券発行信託
有価証券投資の「目的」と「資金の性格」を整理
1.余裕資金
当面使うことがない資金。
一時的にリターンがマイナスとなっても、長期間で見れば高いリターンが期待できる有価証券が適しています。
- 株式
- 投資信託
- 受益証券発行信託
など
2.準備資金
数年後に使うことが決まっている資金。
元本の安全性がある程度確保されていて、一定の収益が期待できる有価証券が適しています。
- 国債・地方債
- 公社債投信など
など
3.生活資金
日々の生活など、すぐに使う資金。
有価証券投資にはあまり向いていないため、換金性があって、安全性の高い金融商品が適しています。
- 預貯金
など
有価証券投資を始めるにあたっては「目的」を定め、「資金の性格」を考慮して投資金額を決めておくことが重要であり、資金の性格によって適した金融商品は変わります。
有価証券投資は高いリターンを生み出す可能性のある魅力的な資産運用の一つですが、一方で投資した有価証券が値下がりしてしまう「価格変動リスク」や、投資した有価証券の発行者が破たんしてしまう「信用リスク」といったリスクがあることを忘れてはいけません。こうしたリスクを軽減するには、「時間分散(一度に買わず、タイミングを何度かに分けて購入)」、「資産分散(複数の有価証券や資産に分散するなど、バランスよく購入)」、そして「長期投資(長期的な視点に立った投資)」を意識して投資を行うことが重要です。